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Tranquilty Base Hotel & Casinoというアルバムの聴き方 /【歌詞和訳】One Point Perspective - Arctic Monkeys

 

こんにちは!

今回はArctic MonkeysのOne Point Perspectiveの歌詞を見ていきます。 

 

 

Written by : Alex Turner

 

Dancing in my underpants

下着姿で俺は踊る

I'm gonna run for government

俺は政治に関わるつもりさ

I'm gonna form a covers band and all 

カバーバンドなんかも結成するだろう

Back there by the baby grand

小さなグランドピアノの所へ戻ると

Did Mr. Winter Wonderland say

ウィンター・ワンダーランドさんは言ったか?

"Come here kid, we really need to talk"?

「こっちにおいで、話す事がある」って

Bear with me, man, I lost my train of thought

ちょっと待て、俺は何を考えてたんだっけ


I fantasize I call it quits

俺は空想したり止めたりする

I swim with the economists

俺はエコノミスト達と泳ぎながら

And I get to the bottom of it for good

事の根底をずっと探っていた

By the time reality hits

真実にぶち当たるまで

The chimes of freedom fell to bits

自由の鐘がバラバラに壊れていった

The shining city on the fritz

機能しなくなった光り輝く

They come out of the cracks

その割れ目から奴らが出てきた

Thirsty for blood

血に飢えながら

 

Just as the apocalypse finally gets prioritized

とうとう黙示録に光が当たった途端

And you cry some of the hottest tears you ever cried

君は今までで最も熱い涙を流して泣くのさ

Multiplied by five

5倍のね

I suppose a singer must die

俺は歌手は死ななきゃならないと思ってるよ


"Singsong 'round the money tree"

「金のなる木の周りで単調に歌おう」

This stunning documentary that no one else unfortunately saw

残念なことに、この魅力的なドキュメンタリーを誰も観ていない

Such beautiful photography, it's worth it for the opening scene

とても美しい撮影術で、オープニングシーンには価値がある

I've been driving 'round listening to the score

俺は得点スコアを聞きながら運転していた

Or maybe, I just imagined it all

もしかしたら全部俺の想像だったのかも

I've played to quiet rooms like this before

俺は以前のように静かな部屋で遊んでいた

Bear with me, man, I lost my train of thought

ちょっと待て、俺は何を考えてたんだっけ

 

 

on the fritz = バラバラに壊れる

Bear with me = 少し待ってください

I lost my train of thought = 考えの脈略を見失う

apocalypse = アポカリプス、黙示録

 


何だか白昼夢に浸っているような、難解な歌詞ですね。


ARCTIC MONKEYS - ONE POINT PERSPECTIVE LIVE AT TRNSMT 2018

 

2分55秒あたりでアレックスが硬直するのは、「Bear with me, man, I lost my train of thought」と歌った後で、何考えてたか忘れたってのを表現してる事が分かります(笑)

 

さて、曲名のOne Point Perspectiveとは何かと言うと、これは一点透視図法という意味です。

一点透視図法とは何かと言うと、それは絵画や写真などに用いられる遠近法の1つの事で、スタンリー・キューブリック監督がよく撮影に用いていました。

gigazine.net

 

詩の中にone point perspectiveという言葉は直接出てきませんが、アレックス自身が下のインタビューで語っているように、このアルバムTranquilty Base Hotel & Casinoは、キューブリック作品から着想を得ていることが分かります。キューブリック作品から、一点透視図法をはじめとした何らかの要素を拾って詩に表現しているのでしょう。

アークティック・モンキーズのアレックス・ターナー、最新作のアートワークについて語る | NME Japan

 

しかし、歌詞の全てがキューブリック作品からのインスピレーションで書かれたという訳でもなさそうです。

詩中のThe shining city on the fritz=機能しなくなった光り輝く街は、アメリカ40代大統領のロナルド・レーガンが離任演説で言ったThe shining city on a hill=丘の上で光り輝くアメリカ国民にとって「帰るべき場所」はどこなのかとして示した一つのビジョン)をもじった物でしょうし、フックの歌詞 "a singer must die"はアレックスが敬愛するレナード・コーエンの曲名ですね。

以下はTranquilty Baseの楽曲制作についてアレックスがコメントした物です。

 

「(前略)今回は、それぞれの曲が3分以内にエピソードが始まって終わるように区分けする、っていうことをあまり考えなくなってね。そういうアイディアをアルバム単位に広げるようにしてみた感じなんだ。とはいえ、すべての曲が同じ方向性を向かせるようにはしたんだけどね」

「NME JAPAN / アークティック・モンキーズのアレックス、レナード・コーエンが新作に与えた影響について語る」より引用 https://nme-jp.com/news/54693/

 

これはTranquilty Base Hotel & Casinoというアルバムについてかなり重要なことを言っていますね。つまり、One Point PerspectiveはTranquilty Base Hotel & Casinoという物語の一章であるため、この一曲を聞いただけでは詞の世界観や内容を完全に理解する事ができないようになっているんですね。

LPやカセットテープ等で音楽を聴いていた頃とは違って、現在はITunesAmazon Musicなどの普及によって、音楽をアルバム全体ではなく単体で聞ける時代です。

全曲を通して聞かないと、それぞれの曲が完全に理解できないようになっているこのアルバムは、「一曲を」買って聴くのではなく、「アルバムを」買って通して聴く事の意味について考えさせてくれます。

 

Tranquility Base Hotel & Casino

Tranquility Base Hotel & Casino